見る軸
- 輪郭線、髪、植物模様が一体になって視線を回すところを見る
- 名画としてだけでなく、ポスターや印刷メディアとして届いた強さを考える
- ジャポニスムやクリムトと並べて、装飾が近代美術へ広がる流れを追う
アール・ヌーヴォー
ミュシャは、絵画と広告、装飾とメディアの境目をなめらかにつないだ作家です。《ゾディアック》から入ると、花や髪の曲線が単なる飾りではなく、見る人の記憶に残る設計として働いていることが見えてきます。

19世紀末〜20世紀初頭 / ヨーロッパ
《ゾディアック》では、横顔の女性を円形の装飾が囲み、髪と宝飾品が画面いっぱいに広がります。細部は多いのに、離れても顔の位置を見失いません。この絵はもともと、人が行き交う街で見られる印刷物でした。
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1890-1910年代 / ヨーロッパ
髪の毛、花の茎、ポスターの縁。アール・ヌーヴォーの線は、途中で切れずに次の形へ流れていきます。その線は額の中に収まらず、椅子や照明、建物の入口にも伸びました。絵画の様式というより、暮らす場所を丸ごと新しく見せようとした運動です。
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19世紀後半 / 日本とヨーロッパ
広重《大はしあたけの夕立》では、手前の橋桁が太く切れ、細い雨が画面を斜めに走ります。こうした構図は、19世紀のヨーロッパの画家に新鮮に映りました。扇や着物といった小物だけを探すと、この変化を見落とします。
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1900年前後 / ウィーン
《接吻》の二人は、金色の大きな塊に包まれています。顔と手足には肉体の重さがあるのに、衣服は模様へ溶け、足元には花の咲く細い地面しかありません。豪華さに目を奪われたあと、身体がどこから始まり、どこで消えるのかを探す。
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