美術のことば / 形式
トリプティク
大きな中央画面の両側に、細い翼のような画面が付いています。開けば三場面、閉じれば外側の絵が現れる作品もあります。トリプティクは、三枚を一度に見る形式であると同時に、開閉で姿を変える道具でもありました。
ひとことで言うと
トリプティクの意味
トリプティクは、三つのパネルからなる作品形式です。中央と左右の関係によって、物語や対比、視線の流れを組み立てます。
作品でつかむ
快楽の園
左・中央・右の場面が並ぶことで、創造、快楽、地獄という大きな対比と流れが立ち上がる
- 中央、左、右の大きさと主題を見比べる
- 三面が同時に見えるからこそ生まれる対比に注目する
- トリプティクは順番に読むことも、往復しながら読むこともできる

中央画面と、左右の翼でできた三連画
トリプティクは、三つのパネルで構成される作品形式です。日本語では三連画、三幅対とも呼ばれます。キリスト教会の祭壇画では、大きな中央画面に左右の翼を蝶番で付けた形が多く作られました。
翼を閉じられる作品は、いつも三面が見えていたとは限りません。礼拝日や儀式に合わせて開閉すれば、普段の外側と祝祭日の内側を切り替えられます。絵の内容と家具のような構造が結びついた形式です。
中央、左、右、閉じた外側の順で見る
中央画面の人物と出来事を確認し、左、右へ移ります。左右は寄進者や聖人を置くことも、物語の前後や天国と地獄を分けることもあります。大きさ、空の色、地平線が三面をまたぐかも見どころです。
美術館の作品ページに閉じた状態の画像があれば、外側も見てください。開いたときの鮮やかな色に対し、外側は抑えた色で描かれることがあります。開閉前後の差までが作品の時間です。
《快楽の園》は、閉じると天地創造の球体になる
ボス《快楽の園》を開くと、左に楽園、中央に人々と奇妙な生き物、右に暗い地獄が現れます。明るさは左から右へ大きく変わり、三面を往復するたびに中央の楽しげな光景が不安定になります。
翼を閉じると、灰色がかった球体の中に天地創造の世界が描かれています。内側の多数の人物は消え、外側は静かな一場面になる。開いた三面だけを見たときとは、作品全体の始まり方が変わります。
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