ART WORD / 形式

トリプティク

一枚ではなく三面で見せると、画面の中に『並べる』『開く』『対比する』という別の面白さが生まれます。

ひとことで言うと

トリプティクの意味

トリプティクは、三つのパネルからなる作品形式です。中央と左右の関係によって、物語や対比、視線の流れを組み立てます。

トリプティクの図解

作品でつかむ

快楽の園

左・中央・右の場面が並ぶことで、創造、快楽、地獄という大きな対比と流れが立ち上がる

  • 中央だけでなく、左右との関係を見る
  • 三面が同時に見えるからこそ生まれる対比に注目する
  • トリプティクは順番に読むことも、往復しながら読むこともできる
ヒエロニムス・ボス《快楽の園》
快楽の園 / ヒエロニムス・ボス1490-1510年頃

ひとことで言うと

トリプティクは、三つの面で構成される作品形式です。宗教画の祭壇画でよく使われましたが、単に大きいだけではなく、複数の面を関係づけながら読むための形式でもあります。

そのためトリプティクでは、一面ずつの完成度以上に、『三つ並ぶことで何が起きるか』を見ることが重要になります。

どこを見るとわかりやすい?

まず中央が何を担っているかを見ます。多くの場合、中央は最も大きく、主題の中心になります。そのうえで、左右が中央を支えるのか、対立するのか、時間の前後を示すのかを考えると構造が見えてきます。

画面の中の人物や色が、左右の面をまたいで呼応していないかを見るのも有効です。トリプティクでは、離れている面同士が静かに会話しています。

作品で見るとこう見える

ボス《快楽の園》では、左にエデン、中央に快楽の園、右に地獄が広がり、三面の並びそのものが人間の欲望と帰結の物語になります。中央だけを見ても奇妙で魅力的ですが、左右があることで意味の重みが一気に増します。

トリプティクは、場面を三つに割るというより、三つの面でひとつの思考を立ち上げる形式です。だから『どこがいちばん重要か』だけではなく、『何を並べて考えさせているか』を見ると面白くなります。

この言葉が見える作品

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ヒエロニムス・ボス《快楽の園》
快楽の園 / ヒエロニムス・ボス1490-1510年頃
三つの場面が同時に見えることで、単独の画面にはない思考の往復が起こる
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