美術のことば / 輪郭
スフマート
境目がはっきりしていないのに、むしろ生きた顔に見える。その不思議さを支えているのがスフマートです。
ひとことで言うと
スフマートの意味
スフマートは、強い線で境目を区切らず、明暗や色のゆるやかな移り変わりで形を見せる技法です。煙のように境目がやわらかく見えるのが特徴です。
作品でつかむ
モナ・リザ
境目を硬く切らず、顔が空気の中からゆっくり立ち上がるように見える
- 口元やまぶたなど細い境目を見る
- 線で囲っているのか、明暗で見せているのかを比べる
- はっきりしないことが、表情の揺れにつながる

ひとことで言うと
スフマートは、境目を線で切らず、空気の中で色や明るさが移り変わるように見せる方法です。とくに顔や手のようなやわらかな形で効果を発揮します。
そのため、スフマートのある絵は、ぼやけているというより、境目が急に終わらず自然に続いているように感じられます。
どこを見るとわかりやすい?
鼻筋、口角、あごの下、まぶたのふちのような場所を見るとわかりやすいです。そこに強い線があるのか、それとも明暗だけで形が見えているのかを比べてみてください。
境目が固定されすぎないぶん、表情が少し動いて見えることがあります。とくに《モナ・リザ》の口元や目元は、その代表例です。
作品で見るとこう見える
レオナルドの人物は、線で切り取られた感じが弱く、空気の中から静かに現れてくるように見えます。輪郭をぼかしただけではありません。明暗の移行が、とても細かく調整されています。
境目が明快なボッティチェリ《ヴィーナスの誕生》と比べると違いがよくわかります。線の美しさを立てるか、気配のやわらかさを立てるか。スフマートは後者に強い技法です。
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