ART WORD / 空間

遠近法

『絵の中へ入っていけそう』と感じるとき、その感覚を支えていることが多いのが遠近法です。

ひとことで言うと

遠近法の意味

遠近法は、平らな画面に奥行きを感じさせるための方法です。近くのものを大きく、遠くのものを小さく見せたり、平行な線が遠くで集まるように描いたりして、絵の中に空間をつくります。

遠近法の図解

作品でつかむ

聖三位一体

床や柱の線がひとつの奥へ向かい、礼拝堂の空間が強く感じられる

  • 床や天井の線がどこへ集まるかを見る
  • 水平線は『見ている高さ』の手がかりになる
  • 奥行きの設計がわかると、画面の中心も見えやすくなる
マサッチョ《聖三位一体》
聖三位一体 / マサッチョ1426-1428年頃

ひとことで言うと

遠近法は、絵の中のもの同士に前後関係をつくるための視覚のルールです。理論として整理されるのはルネサンス期ですが、『近いものが大きく、遠いものが小さく見える』という感覚自体はとても自然なものです。

だから最初は難しく考えなくて大丈夫です。画面の中で目がどこへ吸い込まれていくかを確かめるだけでも、遠近法の働きはかなりつかめます。

どこを見るとわかりやすい?

いちばん見つけやすいのは、床の線、机の縁、建物の壁や天井です。そうした直線が奥へ進みながら一点へ寄っていくとき、画家は奥行きをかなり意識して空間を組み立てています。

人物の大きさの変化を見るのも有効です。手前の人が大きく、奥の人が小さくなっていれば、そこにも遠近法の感覚が使われています。

作品で見るとこう見える

《最後の晩餐》では、壁や天井の線がキリストの位置へ集まり、物語の中心を静かに示しています。《アテナイの学堂》では建築空間そのものが大きな舞台となり、人物たちの議論に広がりを与えています。

一方で、遠近法は唯一の正解ではありません。浮世絵や中世絵画のように、別の空間のつくり方で魅力を生む作品もあります。遠近法を知ることは、『他の空間の見せ方』の違いに気づく助けにもなります。

この言葉が見える作品

用語一覧へ
レオナルド・ダ・ヴィンチ《最後の晩餐》
最後の晩餐 / レオナルド・ダ・ヴィンチ1495-1498年頃
線が中央へ集まり、場面の中心を自然に示している
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ラファエロ《アテナイの学堂》
アテナイの学堂 / ラファエロ1509-1511年
建築空間の広がりが、思想の舞台そのものになっている
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出典