ART WORD / 光と影

明暗法

影は、ただ暗いだけの場所ではありません。何を見せ、何を伏せるかを決める、とても大事な場所です。

ひとことで言うと

明暗法の意味

明暗法は、明るい部分と暗い部分の差を使って形や空気をつくる方法です。立体感を出すだけでなく、どこに視線を集めるか、どんな気分にするかにも深く関わります。

明暗法の図解

作品でつかむ

我が子を食らうサトゥルヌス

暗闇の中から身体が浮かび上がることで、恐怖がいっそう強く感じられる

  • いちばん明るい場所を先に見る
  • 暗いところに情報が残っているかを見る
  • 光は形だけでなく感情も強める
フランシスコ・デ・ゴヤ《我が子を食らうサトゥルヌス》
我が子を食らうサトゥルヌス / フランシスコ・デ・ゴヤ1820-1823年頃

ひとことで言うと

明暗法は、光と影の差で画面を組み立てる方法です。顔や布の立体感を出すだけでなく、空気の重さや場面の緊張まで変えることができます。

そのため、明暗法は『暗い絵のこと』ではありません。光がどこに落ち、どこを沈めるかという設計そのものを指します。

どこを見るとわかりやすい?

まず画面の中で、いちばん明るい場所を見つけてみてください。そこが顔なのか、手なのか、布なのかで、画家が何を強く見せたいのかがかなりわかります。

次に、その明るい場所のまわりの暗さを見ます。真っ黒に落としているのか、よく見ると細かな情報が残っているのかで、画面の緊張感は変わります。

作品で見るとこう見える

カラヴァッジョ《聖マタイの召命》では、横から差す光が『誰が呼ばれているか』をはっきり教えてくれます。レンブラントでは、その光がもっと内省的で、人物の重みをやわらかく引き出します。

ゴヤでは同じ明暗がさらに不穏に傾きます。つまり明暗法は一つの見え方ではなく、使い方によって、劇的にも静かにも恐ろしくもなります。

この言葉が見える作品

用語一覧へ
カラヴァッジョ《聖マタイの召命》
聖マタイの召命 / カラヴァッジョ1599-1600年頃
光がそのまま物語の方向を決めている
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レンブラント《夜警》
夜警 / レンブラント・ファン・レイン1642年
暗がりの中から人物が浮かび、集団像に深みが生まれる
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出典