ART WORD / 光と影
明暗法
影は、ただ暗いだけの場所ではありません。何を見せ、何を伏せるかを決める、とても大事な場所です。
ひとことで言うと
明暗法の意味
明暗法は、明るい部分と暗い部分の差を使って形や空気をつくる方法です。立体感を出すだけでなく、どこに視線を集めるか、どんな気分にするかにも深く関わります。
作品でつかむ
我が子を食らうサトゥルヌス
暗闇の中から身体が浮かび上がることで、恐怖がいっそう強く感じられる
- いちばん明るい場所を先に見る
- 暗いところに情報が残っているかを見る
- 光は形だけでなく感情も強める

ひとことで言うと
明暗法は、光と影の差で画面を組み立てる方法です。顔や布の立体感を出すだけでなく、空気の重さや場面の緊張まで変えることができます。
そのため、明暗法は『暗い絵のこと』ではありません。光がどこに落ち、どこを沈めるかという設計そのものを指します。
どこを見るとわかりやすい?
まず画面の中で、いちばん明るい場所を見つけてみてください。そこが顔なのか、手なのか、布なのかで、画家が何を強く見せたいのかがかなりわかります。
次に、その明るい場所のまわりの暗さを見ます。真っ黒に落としているのか、よく見ると細かな情報が残っているのかで、画面の緊張感は変わります。
作品で見るとこう見える
カラヴァッジョ《聖マタイの召命》では、横から差す光が『誰が呼ばれているか』をはっきり教えてくれます。レンブラントでは、その光がもっと内省的で、人物の重みをやわらかく引き出します。
ゴヤでは同じ明暗がさらに不穏に傾きます。つまり明暗法は一つの見え方ではなく、使い方によって、劇的にも静かにも恐ろしくもなります。

