まず見る・3分

《聖三位一体》で空間を見る

この絵は、どこから急に奥行きを持って見え始めるでしょうか。

マザッチョ《聖三位一体》
Holy Trinity / マザッチョ1427年頃
壁画の奥に礼拝堂のような空間が現れ、ルネサンスの遠近法が体感的にわかる代表作

見るポイント

3つだけ順番に目を置きます。ひとつでも気になる場所が残れば十分です。

  1. 1
    床と柱の線を追う

    手前の床や天井の線が、どこへ集まっていくか見てみます。

    線が一点へ集まることで、平らな壁に奥行きが生まれます。遠近法は理論より、線の収束として見ると掴みやすいです。

  2. 2
    人物の立ち位置を分ける

    手前に立つ人、奥にいる人、さらに奥の空間を順番に見分けます。

    人物の大きさと位置関係がそろうことで、空間全体の説得力が増しています。

  3. 3
    自分の目線を意識する

    この壁画を見ている自分が、どの高さに立っているように感じるか考えてみます。

    見る人の位置まで設計されていると気づくと、絵ではなく『その場に入る感覚』が強まります。

見終わったら

遠近法は難しい知識ではなく、線と人の配置で空間を信じさせる技術だとわかると、この作品は一気に近づきます。

作品解説

壁の奥に礼拝堂が開く。《聖三位一体》の遠近法

平らな教会の壁に、石造りの礼拝堂が奥へ続いているように見えます。視線を下げると、墓の上には骸骨。マサッチオは遠近法を使い、立って見る私たちの高さと死を示す場所を一つの画面に組み込みました。

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