一番短い違いは、『近代の新しさを作る』か、『いまの問いを作品化する』かです

モダンアートでは、絵画や彫刻が何を描き、どう構成されるかが大きな争点になります。マネ、印象派、セザンヌ、キュビスムへつながる流れでは、造形そのものの更新が前面に出ます。

コンテンポラリーアートでは、その造形の更新を前提にしつつ、社会、制度、身体、メディア、歴史の扱いまで作品の中心へ入ってきます。違いは時代だけでなく、何を作品の核に置くかにもあります。

モダンアートは、19世紀後半から20世紀前半の実験を中心に見るとわかりやすい

モダンアートは、1860年代のマネから、印象派、ポスト印象派、キュビスム、抽象へ続く流れとして捉えると整理しやすいです。ここでは『どう描くか』『画面をどう作るか』が大きなテーマになります。

たとえば《オランピア》や《印象、日の出》は、題材や光、筆触を通じて、美術の見方そのものを更新しました。

コンテンポラリーアートは、1960年代以後をひとつの目安にすると入りやすい

コンテンポラリーアートには厳密な一本線はありませんが、1960年代後半以後を一つの目安にする説明が多いです。ここでは、作品がキャンバスの内側だけで完結しなくなっていきます。

《One and Three Chairs》では言葉と物の関係が前に出て、《Maman》では身体感覚が強く働きます。見方の焦点が、造形だけから少し外へ広がります。

見分け方は、『画面の中を読むか、作品の条件ごと読むか』でも整理できる

モダンアートでは、色、構図、筆触、空間処理の変化を追うと入りやすいです。もちろん社会背景もありますが、まず造形の更新が前に出ます。

コンテンポラリーアートでは、何が置かれているかに加えて、どこにあるか、どんな制度や参加のルールがあるかまで読む必要が出てきます。ここが難しく感じる大きな理由です。

最初に迷ったら、《オランピア》と《Maman》を並べれば十分です

《オランピア》では、絵画の中で視線と制度が揺れます。《Maman》では、巨大な蜘蛛の像が見る人の身体感覚まで巻き込みます。

この2つを並べると、モダンアートが画面のルールを更新し、コンテンポラリーアートがその先で作品の条件全体を広げたことがよく見えます。

作品で見る

エドゥアール・マネ《オランピア》
Olympia / エドゥアール・マネ1863年
近代絵画の制度と視線を揺らしたモダンアートの重要作
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クロード・モネ《印象、日の出》
Impression, Sunrise / クロード・モネ1872年
見え方そのものを主題に押し出すモダンアートの流れがわかる作品
画像を拡大画像出典
ルイーズ・ブルジョワ《Maman》
Maman / ルイーズ・ブルジョワ1999年
身体、記憶、不安まで含めて考えさせるコンテンポラリーアートの代表作
画像を拡大画像出典

よくある質問

モダンアートとコンテンポラリーアートは、時代の違いだけですか?
時代の違いは大きいですが、それだけではありません。モダンアートは造形の更新が中心で、コンテンポラリーアートは社会、制度、身体、メディアまで作品の核に入りやすい点も違います。
現代美術はモダンアートに含まれますか?
日本語では重なって使われることもあります。このサイトでは、コンテンポラリーアートを後期20世紀以後の広い実践として、モダンアートと少し分けて扱っています。
どちらから先に学ぶとわかりやすいですか?
モダンアートの流れを先に押さえる方が見通しは作りやすいです。ただ、いま引っかかっているのが現代美術なら、この比較から入って逆にたどるのも有効です。

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